誰もいない広場のその奥に、2本の桜が立っていました。2本の桜は、西の山に雪が降る頃、小さな小さな花を咲かせるのでした。最後の陽光を愛おしむように、枝を空いっぱいに広げています。やがて木枯らしが吹きわたり、冷たい雪が全ての枝を覆います。2本の桜は、子どもたちが遊ぶ春を思いながら、静かな静かな眠りにつくのでした。
【写真は、羽前成田駅ホームに立つ桜です】